
先日九州でシーカヤック仲間と会った折りに、「今度ガイドを始めるんです」と言われてある人を紹介されました。その人に「西沢さんとは一度奄美でお会いしたことがあるんですよ」と言われたのですが・・・。はて?そんなこともあったっけ?
「何回目かのときタンデムで競り合いましたよね」と、その人。
あ~!!その人があまり聞き慣れない名前であったこともあって思い出しました。
第3回奄美シーカヤックマラソン大会(今年開催されれば第15回大会だから、それほど昔ということですね)の男女混合ペア部門で最後まで争っていた人だったのです。結果は僕らが勝ちました(^^)/。最後の区間の潮見が勝敗を分けたのですね。彼らは一直線にゴールを目指したのだけど、僕らは大きく瀬戸の中央をかすめるコースをとりました。一見遠回りと思えるのですが、1回から出ていたのでそこに速い潮が流れることを感じていたわけです。といっても確証があったわけではなく、同じことをやっては勝てないと思ったのでバクチに出て見事に当たったというわけです。
というのも昔の話。今はもうレースになんて出ようなんて思いませんし、出たとしてものんびり漕ぎます(苦笑)。
さて、最近、エンスーものの漫画が多くなってきました。Be-pal誌にまで登場するくらいだから、結構裾野は広がっているのではないかな。世の中新車が売れなくなって、平均保有年数が長くなっているというけど、買い替える必要が無いというよりも、買い替えたくないという層もそこそこいるのではないでしょうか。
そんな中で、本屋で思わず手に取って、そのままレジまで持っていってしまったのが、この本なのです。
「赤羽がんこモータース」田中むねよし著
「Tipo」誌でエンスー漫画を描いていた田中氏のエンスー漫画だけど、いよいよ漫画誌に本格進出?ということでしょうか。まあエンスーなんて女性にモテないマニアの趣味でも上位に入るであろうから、これをうまく一般にわかるように料理して提供することができれば、受けるかもしれません(笑)。
というか僕的には車であれなんであれ、専門的なものをこちらにまで届くようにうまく料理してくれた漫画は結構好き。「ブラックジャック」や「三つ目がとおる」に始まり、いわゆる「美味しんぼ」などの料理系や「ギャラリーフェイク」「夏子の酒」なんかもそうですかね。
この漫画で気にいったのは、作中に出てくるセリフがけっこう自分的に思いあたるものが多く、いわゆる「自分化」できる点にありました。でも逆に言えば、こういう車を持ったことのない人だと、なんで車ごときにそんな思いまでしなきゃいけないの?って思うかも知れませんが(苦笑)。
例えば・・・。
「どんなお店に診てもらっても調子は変わらず、決り文句は『古いくるまはこんなものだよ』…」
これはもうまさに最初の店がそうでした(苦笑)。「こんなもん」「直るかなあ」なんてのはしょっちゅうでしたねえ。
「この世の中に直せない車はねぇんだ。直す人間と直さねぇ人間がいるだけよ!!」
これ、岡田メカも言っていました(笑)。
「昔ながらの、客と職人が違いを育て合うなんて風潮は、近頃ぁすっかりなくなっちまったね…!」
修理しても頻繁に大阪にまで通うので、誰かに修理が下手なように思われるんじゃないか?なんて言われたことがあるけど、僕はそのときに考えられる情報とスキルを最大限に使って修理してくれればいいと思っています。
メカニックが誠実に修理を続けてくてれば、結果的には自分にノウハウがフィードバックされていくのではないでしょうか。何度も書いているけど、このT-3という車は、ここ数年で急激にメンテナンスのノウハウが蓄積された車で、その蓄積には、沢山のオーナーやメカニックの情熱があるように思えるのです。
問題は修理や状態を判断するスキルがないのに、さも直したように言う、こんなもんです、とごまかす、もしくはまったく客と顔を合わせない、とまあ僕も過去経験したことが、ほとんどそのままこの本に描かれていたので、さらに自分化できたのかも知れません。
「せっかくの車趣味ならできるだけ長続きしてもらいてえ…。そのためには何より家庭の理解が必要なのよ」
う、わかっていらっしゃる(笑)。
これが2シーターオープンスポーツなんかだったら、理解を得るのは難しいかったんじゃないかなあ。キャンパーだからこそというのはあるかも知れません。
などなど・・・。
ただ一点、この漫画で気に入らないのは、とんでもない金持ちが「味方で」出てくること。
どうもこの手法はこの手の漫画では定番のようで、「カウンタック」という漫画もそうなのだけど、これは「結局車趣味は結局お金なんですよ」と言っているようにも思えるのです。だってそこで全てが解決しちゃうんだもの。なんかとてもシラけてしまうのですね。
まあなんだかんだで、続編にも期待しています。というか、買い続けるかは次の号次第ということかな。
この本はファントムガレージの岡田メカに進呈してきました(笑)。
文中引用
「赤羽がんこモータース」田中むねよし著 小学館