新農業人フェアっつうのに行って来た。去年のことだけど。
入間川サイクリングロードで見た風景・・・。
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これ、昨年の10月頃に書いてそのままにしてあった日記。もうここ数年、ときに漠とした、ときにはっきりと将来に不安を感じ続けている。
果たして60歳を越えてからも生活することはできるのだろうか?
うー、のっけから暗い話題である。
でも実際、ほんとに厳しい未来しか見えない状況になってしまった。
60過ぎてからの現金収入が期待できない異常?いや、以上、自分の食料くらい自分で作る方法を知っていた方がいいのではないか。いや、いっそのこと農業で生きることはできないのだろうか。…ということをツラツラと考えていたのだが、考えているだけでは始まらないのでいろいろと調べてみることにした。
友人の中には大企業を辞めて自給自足的生活をしている人もいるし、現在の食料に対する安全性への危機感から、作物はできる限り自分で作る努力をしている人もいる(いわゆる有機農法)。
聞いてみると、「農」ということであればどんどんやってみれば、となるのだが、「業」となるとこれから現金収入も確保していかなければならない状態で、果たして勧めていいものかどうなんだろうか、と言われた。
まあ国も農業生産物の自給率を上げたいっつうし、最近は農業法人とかいうのがあって、サラリーマンからの転職組みにもクッションになるような制度があるそうじゃないか、という情報もあった。
まあモニターの前で悩んでいても仕方ないので、とりあえずは生の声を聞いてみようと、大々的に情報が集まる(といわれる)新農業人フェアなるものに足を向けた。
自分の予想としては、定年後に農業を始めたいという人が一番多いかな、と思っていたのだが、実際は大学卒業後と思われる若い人(しかもカップルもちらほら)が最も多かった。その次に僕らのような中年?夫婦(家族)、そしておそらく定年を迎えようとする人たちという感じ。
若い人たちは能動的に農業を選んでいるのか、それとも就職難から農業なのかはわからなかったし、別に仕事でも無いので(笑)聞きはしなかったが。
何をどう聞けばすらわからないので総合案内で話を聞いてみると、まずは各自治体のブースや農業学校などを回ってみるといいと言われた。
というわけで、その通り進んでみることにした。
ある県のブースでは「確かに就農者に対して手厚い補助金や住居を提供するところもあるけどね、それはそうしてやらないと生きていけないからなんですよ。そういうところには離農率を聞いてみるといいです」と言われた。
都内近郊のある県では最初に「うちはいくらでも就農希望者がいるので、大した補助はないんですよ」と言われた。付き合いで出展したのか、聞くだけ迷惑そうにされた。
ある県では「最近では温暖化で作れる作物が変わってきてしまっているんですよ」と言われた。今までのノウハウが役立たないそうである。
ある県では「うちは食べられるようになるまで懇切丁寧に指導します。でも最初に最低1,000万円は必要です。多ければ多いほどいいですよ(3,000万円くらいが理想らしい)。最初いくら用意できるかが重要になります」と言われた。いきなり3,000万の借金から始まるわけである。
いくつか農業法人についても聞いてみたが、結果、農業法人への就職は単に「補助」がでるという程度で、現金収入はまったく期待ができるもんではないということもわかった。結局、ここでも未だ現金が少なくても生活できる「若い人・独身」がもっとも有利なだけである。
希望はすぐに多くの疑問符で埋め尽くされ、絶望と変わるのにさほど時間はかからなかった。かなり疲労したけど、逆に「ダメだこりゃ」という感触を1日で得られたから、それはそれでよしとしよう。
多分、農業に関することを知っている人からすれば、「何を今更」と思うことばかりなのだろうが、まったく知識を持たない(外から来る)僕らからすれば、実情はなるほどね、こりゃ無理だよな、ということを認識したに過ぎないイベントであった。
さて、どうするか。
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